人に悪口をいうのは、なぜダメなのか
悪口は、子供の時から親や先生から、口にする事はダメだと教えられてきた人も多いですが、
なぜダメなのでしょうか。
一般論として悪口はよくないことは、誰しもわかっていることです
が、誰しも一度は不平や不満を悪口として認識しながら、言った経験はあると思います。
では、不満やいいたい事があってもひたすら、それをひた隠しにしてポジティブにすべきでしょうか。
それはそれで、息がつまりますよね。
悪口に関しては、人によってここまではOK、NGと線引きがありどこまで言っていいのか判断が難しい、グレーゾーンが多いテーマでもあります。
なので、悪口について過去の賢人の意見などを交えながら考えてみました。
※今回は、お互いに知り合いの認識がある仮定の話しなので、一般人が有名人に対する悪口は想定してません。
そもそも悪口とは
悪口の意味を検索すると、
他人を悪く言うこと。また、その言葉。あっこう。-デジタル大辞泉(小学館)-
と定義されています。しかし、人を悪くいうと意味では、人を導く職業、例えば警察官、教師、教習所の教官、仕事を指導する上司は
全員悪口を言ってしまっていると解釈できてしまいますが、そうなると意味合いがとても広くなってしまいます。
では、掘り下げて考えると何が悪口になるかいくつか列挙してみました。
相手を貶める意図、目的がある
そのフレーズを言うことによって、相手の品位や人格が損なわれる恐れのあるのは悪口に入るかもしれません。
例えば、「あの人は頭が固い」「あの人は、いつも態度がでかい」「あの人は、自己中だ」
ただ、貶める意図があったかどうか、判断が難しいのが現状です。
受け止め方によって判断が分かれますが、相手がこちらのことを好みで言っているかどうかは、普段の付き合いなどである程度わかることでは、ないでしょうか。
両者の信頼関係や人間関係が無い
例えば、A君とB君がいたとします。この二人が普段から仲がよく、一方が、「お前、本当ばかだなあ」と言った時、
応対して「お前こそ、ばかだよ本当に」と言い合っているとします。
この関係が両者で成立している場合、悪口にはならず仲が良いからこそ言える関係です。
しかし、A君やB君とほとんど接点がないC君が、「A君やB君はばかだよ」と言った場合、悪口になります。
このことから、言う方と言われる方の関係も悪口かどうかの判断材料の一つになるのではないでしょうか。
伝言による勘違い
以前に勘違いについての記事を書きましたが、
うまく情報が伝わらず、結果的に悪口を言われてしまったと勘違いしてしまうケースがあります。
基本的に第三者が介入すると、その人自身の意見も知らず知らずのうちに含まれてしまうので
又聞きした内容について、いちいち目くじらを立てる必要もないかもしれません。
思いやりがある発言は悪口でなくアドバイス
人に対して悪口が多いか、厳しいかは判断が別れるところです。
上司が部下に対して求めるレベルが高いあまり、悪口と思われることもあります。
仕事に対してこだわりが強いあまり、相手を否定するのが悪口かどうかは、思いやりがあるかも重要だと思います。
悪口は最終的に受け取った方の判断に委ねられる部分もあるので、言われた本人がアドバイスと受け止めたら悪口にはなりません。
悪口と愚痴の違いは難しい
悪口はどこまで言っていいのか考えた場合、「悪口と愚痴ってどこが違うの?」と一度は考えるはずです。
会社や友達に対する不満をいうことが悪口なら、愚痴すらも言えないのかと考えると息苦しいですよね。
悪口と愚痴の違いって、言い方次第ですもん。
「あの人のネチネチした性格嫌い」と、「あの人にネチネチ言われて精神的に参ってる」って言ってることはほぼ同じですよね。
悪口にせよ愚痴にせよ、吐き出しすぎることを習慣化しないことを考える方が大事だと私は思います。
悪口や愚痴のどちらも、鬱憤を吐き出すことには効果があるけど、直接的な解決にはつながらないですもんね。
なぜ人は悪口や陰口を言うのか
では、なぜ人は悪口を言うのでしょうか。
悪口をいう心理として、
- 日頃のストレスが溜まっている
- コンプレックスを悪口で解消
- 相手に対するマウンティング
- 自分は他と違うことをアピール
- 相手が根本的に嫌い
- 思ったことをただ言っただけ
が、考えられます。
SNSでも、ひたすらアンチコメントだけを残すようなアカウントもありますし
悪口を吐き出すことで、心が満たされる人も存在します。
理由がなんにせよ、不満の感情があるから悪口が出ると思います。
誰しも不満や納得いかないことはたくさんありますが、
どのように処理するかで、その人の評価につながるのではないでしょうか。
悪口をいうメリットも存在する
悪口は、必ずしもデメリットだけではありません。
その1つが、悪口の内容に共感し合えたら、仲良くなることもありうることです。
確かに嫌いな人がかぶると、妙な安心感を覚えてしまう気持ちが芽生えますもんね。
アフリカの名も無き街で、同じ日本人と出会えたような喜びに近いのかもしれません。
心理学的にも、自分と価値観が近い人は仲良くなりやすいと検証結果が出ているので、悪口も悪すぎることではないのかもしれません。
だからと言って、悪口を推奨するわけではありません。
悪口を言いすぎるとあなたが損するデメリット
悪口を言うことは、仕方ない面もありますが損をすることもあります。
悪口は一時的に気持ちが満たされますが、デメリットもいくつかあります。
悪口をいう相手のことを考える時間の無駄
悪口を言うことは、相手に対して悪意の感情を呼び起こしています。
悪口が口癖の人は、嫌いな相手のこと、嫌なことを無意識に考えていてしまう思考回路なのかもしれません。
嫌なことを考えるよりも、あなたの気持ちが高まること、テンションが上がることを考えた方が精神的にも時間も有意義ではないでしょうか。
あなたの成長を止めてしまう
悪口をいう癖がついてしまうと、受け止め難い事実も現実から目をそらしてしまう可能性があります。
会社の同僚が出世したのは、上司にゴマをすったからなんだ、と悪口を言うことでその場の鬱憤は解消できますが
人のせい、偶然のせいにして自分が直すべきところと向き合わないのは、結果的に自分の成長を止めてしまいます。
周囲から人が遠ざかる
不平、不満を吐き出す多い人は付き合いにくい特徴があります。
悪口の内容が共感できるなら、聞いてくれる人はいますが。
一方的な悪口は、あなたの価値が下がってしまいます。
悪口を聞かされる気持ちとは
悪口を聞く立場の人にとっての気持ちを考えた場合、どのように悪口を感じるでしょうか。
大きく分けると、3つあります。
反応に困る
悪口を聞かされた人は、一緒に悪口を言いたくは無いけれど、反論もしにくいはずです。
悪口を言われている人によっぽど悪く無い限り、中途半端な受け答えになってしまう気まずさも感じます。
また悪口を聞く場に居合わせたことにより、言っていない人が一緒に悪口を言っていたと、思われることに迷惑さを感じることになります。
楽しい話題と思わない
悪口を話す人は気持ちがスッキリするかもしれませんが、聞いている人は楽しいとは思いません。
悪口や噂話しが好き同士なら問題ありませんが、どうでもいいよ、と思う人もいます。
自分も悪口を言われているかと不安になる
「前は別の人の悪口を言ってたのに、今日は別の人の悪口を言っている。
自分もこの人に、どこかで悪口言われているんだろなー。」
いつも悪口を言っていると、自分も言われていることを想像してしまいます。
悪口の内容次第ですが、聞く人にとっては聞いていて気分がよくないのです。
では、どうしても悪口を言いたい時はどうすれば良いのでしょうか。
悪口と毒舌の違いとは何だろう
悪口に似た言葉として、毒舌がありますが
悪口に比べ、毒舌はテレビタレントのキャラとしても受け入れられていますよね。
毒舌の意味を調べると、
辛辣 (しんらつ) な悪口や皮肉を言うこと。
出典 デジタル大辞泉(小学館)
悪口の違いとして、皮肉が加わっていますね。
では、他に何が違うのでしょうのか。
毒舌は共感を生むことがある
言い方はきついけど、理解できる
よく考えたら筋が通っている
思わず、なるほどなあ、と聞いてしまう悪口は、毒舌に入るのかなと思います。
悪口は、主観で感情をぶつけがちですが、毒舌は言っていることはきついけど、客観的な意見なのもポイントかもしれません。
毒舌は笑いに変えることができる
悪口は周囲が聞いたら気を悪くしますが、毒舌は周囲を笑いに変えることもできます。
悪口と比べ、毒舌は言い方にトゲが包まれている点や、人が言いにくいことをよくぞ言ってくれた、と評価される時もあります。
感情でなく、冷静に物事を見れるかどうかで、悪口か毒舌かが変わります。
毒舌と悪口の思考回路の違い
表面的に見ると、毒舌と、悪口は似ている時もありますが、思考回路は違います。
悪口はあくまで自分の感情を吐き出したい思考回路ですが、
毒舌は、冷静にツッコミを入れたい、と思いながら言います。
どうしても悪口を言いたい時
悪口を一切言わない、いい人過ぎるのも生きる上では大変疲れます。
悪口はよくないですが、時にはガス抜きすることも必要です。
なので、悪口を言いたい時はどうすべきか考えた時、4つの方法があります。
口が固い知り合いや身内に相談する
悪口を言わないことは確かに理想ですが、相手が上司の場合面と向かって意見ができず、結果的に上司の人格に嫌悪感を抱く場合がありますよね。
悪口を言わずうまく収めようとするのも、窮屈です。そんな時は信頼できる人,できるなら第三者で直接関係ない人に相談するのも良いかもしれません。相談することによって、良い案が出るかもしれません。
ネットで悪口や陰口は書き込まないようにする
ツイッターでつい本音を言いたくなりますが、SNSに書き込んでもあまりメリットはないと思います。
人から共感してもらいやすい話題ならありかもしれませんが、形に残る悪口は後々になってバレてしまう可能性や、あなた自身のイメージが後から見た人にも影響を与えてしまいます。
思ったことを自由にツイートしたい気持ちは理解できますが、ネットで愚痴を書き込むのはメリットよりもデメリットの方が多いと思います。
見た人は、楽しいと思いませんし会ったことのない人の悩みに人は共感しにくいですからね。
それでも悪口や愚痴を言いたいなら、信頼できる人に吐き出すのが一番良い方法だと私は思います。
職場の雰囲気を変えれるよう努力する
働いていると、どうしても合わないと思う人は、一人や二人いるのは仕方ないことです。
その雰囲気を変えるためには、あなた自身が職場で認められる存在になって、職場を変えることに尽力するのも一つの方法かもしれません。
悪口を言って、気持ちの安定を図ることもある程度は大事ですが、上記であげた定義の一つである、本人がいない時に言ったところで状況が変わることはほとんどないはずです。
言っても無理な嫌いな人とは距離を置く
世の中には、話せばわかると思っている人もいるかもしれませんが、話しても分かり合えない人もいます。
ある程度、本人に言ってわかってもらえない時は、そっと引くのも一つの方法です。
ちなみに、人が人を嫌いになる理由に、同族嫌悪や自分と正反対のタイプがあるそうです。
同族嫌悪とは、自分と似たタイプを無意識に嫌いになる傾向があり、また考えが全く真逆な人に対してもネガティブな印象を持つことがあるようです。
最後にこの言葉をご紹介したいと思います。
人の小過を責めず、
人の陰私を発(あば)かず、
人の旧悪を念(おも)わず。
三者をもって徳を養うべし。
またもって害に遠かるべし。人の小さい過失をいちいちせめない
人の隠し事・秘密を暴かない
人の過去の過ちに対して触れない
この三つの点を守れば、人格を高めることができ、人の恨みや反発を買和ない。-菜根譚-
人間とは、難しい生き物だと改めて感じさせられますね。
で悪口に関する記事が参考になれば幸いです。ではでは
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