正論を振りかざすことは正義なのか
最近テレビで話題になっている、正論おじさん。
先日、モーニングショーの番組で報道されたおじいさんが、三重県の松坂商店街の店の看板の位置について注意し回っていることで話題になっています。
何が問題になっているか、まとめてみました。
店の前の道路にある看板を指摘する正論おじさん
正論おじさんとは、店の前の歩道や道路にものを置くことを注意し回っている人のことです。
最初は警察に訴えかけていたそうですが商店街の反応は変わらず、結果的に正論おじさんが自ら行動するようになったそうです。
街や商店街でよく見かける、歩道の上にあるお店の看板や旗。
歩道にモノを置くことは許可を得ていないと違法なので、正論おじさんが指摘していることは間違いではありません。
今回の問題は、今までなあなあになっていたグレーゾーン的な問題なので、むしろ考えるきっかけになったかもしれません。
確かに、違法だけどよく街で歩道に看板や旗があるのは見かけますもんね。
では、なぜ話題になっているのでしょうか。
正論おじさんの注意の仕方が過激で問題になっている
悪いことを注意することは、決して悪いことではありません。
ただ、注意の仕方が実際に置かれている看板や旗を勝手に撤去する実力行使に出てしまっていることです。
テレビの報道では、お店の人と正論おじさんが言い合いになっている場面を何回も見ました。
具体的には
- 店に対して必要以上にクレームを入れて注意する
- 他にお客さんがいても、御構い無しに注意する
- お店の旗を蹴り飛ばす、破壊する
- 女性の店員さんには、とても強気
など、常識の範囲を超えた注意をしています。
今までずっと慣習になっていたことを、急に注意されたらお店の方もびっくりしてしまいますよね。
確かに歩道にお店のものを置くのは違法ですが、勝手に蹴り飛ばされたらいい気分もしませんし。
映像で見る限り、営業妨害に近い行為だと思います。
テレビ局が大体的に取り上げたのも歩道にモノを置く問題を取り上げたいのではなく、正論おじさんの行動が、テレビ受けすると判断した部分もあるかもしれませんね。
では、正論おじさんの言い分は何でしょうか。
正論おじさんは、曲がったことが大嫌い
VTRを見た限りですが、正論おじさんは正義感がとても強い印象があります。
強い正義感ゆえに、歩道に旗を置いている店には、ミリ単位で位置を直すよう“指導”しています。
テレビでは、自分の土地以外で商売するズルさと、他の人が通りにくくなることでけがにつながることを正論おじさんは指摘。
正論おじさんの言い分にも、一理あります。
悪意だけで指摘しているわけではなく、自分の信念にもとづいて行動している印象です。
お店が旗を置く位置を修正しても、正論おじさんだけのメリットはありませんからね。
自分のグランドで勝負しなさい、と正論おじさんが発言していることから野球好きかもしれません。
今回の騒動の疑問点
テレビや他の情報等で、大体の内容を知っている方もいるかと思います。
では、今回の問題で思ったことをテレビ以外の視点で考えてみました。
なぜ今さら注意することに目覚めたのか
正論おじさんは、テレビでみたところかなりのご高齢です。
激しい感情で怒りをぶつける、本当の理由が気になりました。
なぜ昔から行動にうつさず今になって、激しく講義するのか疑問に感じました。
若い時の方が、人は尖っていて年を重ねると丸くなるイメージがあるからです。
編集方法によっては、事実がねじ曲がってしまうこともあるのが報道の怖いところ。
なので、正論おじさんが主張する、本当の理由を知りたいと感じました。
歩道に看板を置くことに一石を投じたのは、正論おじさんの功績
今回、全国区のニュースで報道されたことで、歩道にモノを置くことについて注目が集まりました。
正論おじさんの行動が正しいかどうか別にして、問題として取り上げられたことは良い機会だと思います。
じゃないと、興味ない話題に人は振り向かないでしょ。
街とお店の向き合い方を考えさられるには、インパクトのあるニュースじゃないと取り上げられないので
一石を投じたことは、良いことだと私は思います。
正論を伝える、受け取る難しさ
正しいことを言っても、解決しないコミュニケーションの難しさもテレビ報道をみて感じました。
正論だとわかっていても、感情が邪魔するときありませんか。
親から「勉強しなさい」と一方的に言われた時など。
なので、正論を伝える時はプラスアルファで相手に寄り添うことが必要だと私は思います。
プラスアルファとは、正論を押し通すことで相手のメリットを考えて説明することや、メンツなどを立てるなどの配慮などです。
人間は感情で生きている動物なので、論理だけを押し通してもどこかで歪みが生まれると私は思います。
正論だけでうまくいかない現実もある難しさ
世の中、正論だけど通らないこともたくさんあります。
例えば
- 日本は賭博が違法なのに、パチンコは認められている
- 車の制限速度は、実際には正しく守られていない
- もらえるのに、残業代が正しく支払われない
など、うやむやなことは世の中にはたくさんあります。
それぞれの問題の答えは、何が正しいかは今回関係ないので、割愛しますが
世の中には、正論だけではうまくいかない問題があることも事実です。
今回の騒動の印象として、正論おじさんは相手をやりこめやすい問題に取り組んでいる印象も感じます。
本当に歩道の上の看板や旗を解決したいなら、署名を集める活動や市議会議員として活動する選択肢もあったと、私は思います。
知らず知らずのうちに、人に迷惑をかけて生きてしまっていることもあります。
時には主張し、時にはおおらかに受け入れることは私は必要だと思います。
ではでは
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