工業簿記とは何?日商簿記2級から必要な工業簿記

簿記を勉強しようと思った時に聞くことのある、工業簿記。

難しいの?必要なの?

日商簿記2級は商業簿記が60点、工業簿記が40点の配点で合格は70点以上です。

日商簿記では、2級の試験から工業簿記が出題され、両方受けることは必須です。

商業簿記だけ満点とっても、簿記2級は合格できないからです。

日商簿記をとるメリットについては、こちらの記事でまとめています。

関連記事:簿記の難易度やメリットについての記事

今回、工業簿記についての記事をまとめてみました。

工業簿記 工場

工業簿記は、一言で言えば工場で作られる過程をお金の動きで分析することイメージです。

自動車、ガソリン、家電、服など、身の回りには製品や商品がたくさんありますよね。

工業簿記で分析すると、こんなことがわかります。

  • 車を一台作るのに、どれくらいの原価だろうか
  • 何個作って納品したら、利益になるんだろう
  • ものを作る予算と実際にかかった費用の比較

実際の工業簿記の問題は、決められた会計手順で原価を振り分ける作業が中心なので、イメージがわきにくい部分もありますが

答え合わせがぴったり合うと、難しいなぞなぞを解けた達成感を感じます。

商業簿記はお店の取引を表したもの

お店 商業簿記

商業簿記は、お店や商社など仕入れたものを販売する会社のイメージです。

商品を販売、またはアプリゲームなどの課金システムなどで収益をあげる会社のイメージです。

お客さんに販売する取引だけでなく、企業同士の買収の取引や、退職金の計算など幅広いテーマなのも特徴です。

工業簿記は難しいのか

結論から言えば、工業簿記2級は商業簿記に比べて難易度は低いです。

商業簿記2級は3級の内容も含まれるので、工業簿記2級よりも試験範囲が広くなります。

また工業簿記2級は、数学のような難しい計算は出題されません。

小学校の算数ができれば問題なく解けるので、心配する必要はありません。

ただ、計算式の意味がわかりにくい時、計算で出された数値になんの意味があるか、理解に苦しむ時もあります笑

なので、最初から全て理解しようとするよりは、なんとなく理解できればいいやー、というスタンスで勉強した方がいいと思います。

工業簿記って何に使うの

工業簿記 電卓

簿記を学ぶことで、数値に対して敏感になるのは当然かもしれませんが、

他にも簿記を知ることで日常生活にも大きなメリットがあります。

経理に関わっていない人でも、仕事をする上では数字を意識することは必要不可欠ですよね。

いくつか、まとめてみました。

原価や値段のつけ方がわかる

工業簿記を知ることで、原価や値段のつける考え方が理解できるメリットがあります。

業界によって、仕入れる材料価格が変動しやすい、作る時間がばらつくなど、予定と実際の数値が変わりやすいこともありますが

原価に対する感覚を養うことで、適正な販売価格を決める1つの指標になります。

原価を分析する1つの考え方として、製造直接費と製造間接費に分けて考えます。

直接費用は

  • 直接作業に関わった人の人件費-直接労務費
  • 商品を作るためにかかった材料費-直接材料費
  • 商品の試作品にかかった費用-直接経費

名前の通り、商品を作るためにかかった直接の作業ですね。

一方、製造間接費は

  • 伝票作りなどの事務作業-一般管理費
  • ネットで宣伝するなどの費用-販売費
  • 仕事で使う机や椅子の経費-間接材料費

のように、製品作りには直接関係ないけど、費用として考えます。

ホームページを作る時間、SNSで商品を宣伝する時間、会議で話し合う時間、資料を作っている時間も全て、商品の原価です。

こう見ると原価って色々詰まっているんだと、考えさせれませんか笑

販売価格は、材料費と人件費を合わせた原価で考えてしまいがちですが、

実は思っている以上に原価は広い範囲で考えるんですよ、ということが工業簿記から知ることができます。

販売予測数を立てることができる

原価を考える別の考え方として、固定費と変動費に分ける方法があります。

固定費は、毎月支払う機械の支払い料や家賃など決まっている金額

変動費は、一個作るたびにかかる、金額です。

材料費や商品の梱包代などが、変動費として考えます。

では、このような場合、どう考えるでしょうか。

固定費、1000円

変動費が100円

販売価格が200円の場合、何個以上売れば利益が出るでしょうか。

この場合、11個以上売り上げるとマイナスが0になるので12個以上売れば黒字になりますね。

この計算は、CVP分析と呼ばれておりこのように線を引いて計算する方法です。

CVP分析と聞くと難しそうなイメージですが、ただ固定費をあらかじめ入れて計算しているだけです。

このように、決められた計算方法で予測をたてるのも工業簿記の面白いところです。

面接の時に助かる

工業簿記だけでなく、簿記を知ることで面接の時や企業説明会で難しい話しをされても、対応しやすくなります。

例えば、「機械損失」という言葉を知っていますか。

「機械損失」とは、しなかったことで失う利益のことです。

例えば、本を千冊作ったけど、思いのほか予定以上に売れてしまい、まだ注文があるのにもう在庫がない状態ですね。

会計・簿記の用語は、仕事の時にはついて回る話しなので、

面接時に、さりげなく会計用語を使うことで評価される場合があります。

少しメガネをクイっと触りながら言うと、より効果的かもしれませんね。冗談ですが笑

参考になれば幸いです。

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